労務相談
双方のバランスをうまくとり続け、会社が健全に発達して社員の生活の質を上げられるように配慮をしていくことです。
双方のバランスがうまくとれるよう、社労士としての業際を超えることなくとことんつきあっていくのが当事務所の特長のひとつです。女性社労士ならではの「ささいなことに気づき、共感していく能力」が活かされています。
事例
管理者のちょっとした声掛け等によってメンタル不調となってしまった社員がいました。(本当はそれが原因とは限らないのですが、事例紹介のために詳細は省きます)
その会社では、正社員の休職期間を就業規則で“最長で3ヶ月間”と定めていました。
それにも関わらず、「管理者の心無い言葉のせいでうつ状態になってしまった。私が休むのは会社のせいです」と社員に言われて会社はひるんでしまい、「では、治るまで休み続けていいです」と言ってしまいました。
結果、休職開始から3か月を超過してもずっと休職状態が続くこととなってしまい、いよいよ休職期間が1年になろうかというとき、初めて私に相談をいただきました。休職開始時点で相談をいただければ、すんなりと解決に至っただろうに…と内心思いつつも、そのお客様(会社)は定期契約をいただいていたお客様ではなかったので致し方ありません。
まずは、なぜ問題が長期化してしまったのかの時系列や、会社としてはどのようにしていきたいのか、ヒアリングしました。休職している社員本人からのヒアリングはできませんでした(本人は「会社のことなど考えたくもない」とのこと)が、会社の言い分を信用する限り、メンタル不調を誘発するほどのブラックなことはしておらず、正当な業務指導の範囲であると判断されるような事例でした。
会社の意向については、本人宛に文書でやり取りをすることに決めました。齟齬なく意向を伝えるために、本人へ通知する内容については私が文書案を作成し、会社でその案を適宜修正して通達していく流れとしました。写真は、そのときに作成した文書案です。本人の心情を汲みながらも、誤解がないように会社の意向を伝えていくことに心を砕きました。
ひとつひとつ段階を踏んで通知していきましたので、時間はかかりました。が、大きなトラブルに発展することなく、退職合意書を取り付けるまで至りました。
本人の話を直接きいたわけではないので何とも言えない部分はありますが、「会社のことなど考えたくもない」と言っていたのにずるずると雇用関係を続けることになって、どうケリをつけるか迷われていた気持ちも多少はあったのだと想像します。その時は『退職』という結末を迎えましたが、長い人生の中で、できるかぎり嫌な気持ちを引きずることなく次のステージに向かえたら、と願ってやみませんでした。
とことん会社と社員とにつきあう形で解決に至った事例です。